第4章 ファイナンス
第4章 ファイナンス
09-1f150 兼 俊介
・ペイバック・ピリオ法(回収期間法)
投資した資金がどのくらいの期間で回収されるかにより、投資評価を行うもの。回収機関の求め方は簡単で、初期投資額をマイナスにして、そこに毎年のキャッシュフローを足していき、プラスになる年を探せばいい。この方法の優れた点は「簡易さ」で、簡単な足し算をするだけで、投資判断ができるという点と、もう一つの良さは、投資に伴うリスクを判断する基準になるという点だ。しかし、欠点もある。1つは現在価値の概念がまったく入っていないという点。この問題を修正するためには、キャッシュフローの現在価値を求め、その数値を使ってペイバック・ピリオドを求める方法(ディスカウンテッド・ペイバック・ピリオド法)を使うこともある。もう1つの欠点は初期投資を回収した後のキャッシュフローをまったく無視している点である。投資を回収した後、キャッシュフローが多かろうが少なかろうがペイバック・ピリオドは同じになる可能性がある。したがって、投資評価基準として用いる場合、補助的な指標として用いることが望ましい。
NPV法(正味現在価値法)
NPV(Net Present Value)法、すなわち正味現在価値法とは、投資によって生み出されるキャッシュフローの現在価値と初期投資額を比較し、現在価値と初期投資額比較し、現在価値が投資額を上回るかどうかによって投資を評価するものだ。要するに、キャッシュフローの現在価値の総計と初期投資額の差を見るものである。
NPV法には、ペイバックピリオド法やIRR法など目立った欠点はない。アカデミックな世界では、NPV法を投資評価の基準とする場合が多いが、割引率には注意して使用しなければならない。
NPV法を使う場合には、「妥当な割引率」の設定が非常に重要になる。
IRR(内部収益率法)
IRRとは、正味現在価値がゼロになる割引率で、この数値が高ければ高いほど、収益率が高い投資ということになる。
とても使いやすい指標であるが、やはり欠点がある。キャッシュフローをIRRの値で再投資することを前提としている点である。
必ずしもすべてのキャッシュフローをIRRと同じ利率で再投資できるとは限らないのである。
キャッシュフローのシミュレーションは主に3つからなっている。
まず、「営業活動からのキャッシュフロー」は、事業に直接関わる収入と支出で、例をあげると、店舗の家賃、人件費、広告費、仕入れ費用など
次に「財務活動からのキャッシュフロー」は、資金調達に関わる収入と支出で、収入は借入れや増資による資金の増加、支出は利息の)支払いや配当金の支払い、借入の返済などである。
最後に、「投資活動からのキャッシュフロー」は、建物や大きな設備などを購入する際の投資資金額である。
これら3種類のキャッシュフローの支出を合計し、前月からの繰り越しキャッシュ残高を合計すると、その月のキャッシュ残高が計算できる。
キャッシュフローシミュレーションの第一の目的は、常に手元に過不足なく、資金があるかどうかを予測することである。