関心のある業界・企業について
私は百貨店業界と株式会社丸井に興味・関心を持ったため書かせていただきたいと思います。
百貨店の始まりはフランスであるとされており、19世紀後半にはアメリカで百貨店が全国展開していきます。日本では明治以降欧米の技術、スタイルを取り入れて欧米化が進みますが、小売業では呉服屋が百貨店スタイルを取り入れることで日本の小売業の欧米化が進んでいきました。1905年に三越呉服屋は呉服屋から百貨店に業態を変更することを新聞で発表する「デパートメント宣言」を行い、業態を呉服屋から百貨店へと移行します。こうした動きに白木屋、高島屋などが続いて日本全国に百貨店が出店していき、百貨店は西欧のライフスタイルを取り入れながら衣料品だけでなく食品なども取り入れて日本人の生活の一部となっていきました。第二次大戦時には売上が落ち込みますが、戦後営業を再開すると再び成長軌道に乗り、高島屋はダイエーに抜かれるまで日本の小売売上高一位をキープし続けました。
2013年末の現在では百貨店業界は苦戦を続けています。若者による百貨店離れの進行、郊外型のショッピングモール・アウトレットの台頭など厳しい状況が続いています。2008年秋の金融危機以降から2011年は消費低迷により状況は悪化してきています。一方、2012年に入り、アベノミクスによる経済効果の影響もあり、消費は上向きに変わってきました。百貨店業界の業績(全国の百貨店売上高)も16年ぶりに上向きに転じました。厳しい環境の中、再編や改革に取り組み巻き返しを図るこうした厳しい状況の中、百貨店各社は生き残りをかけ、続々と再編や改革に取り組んできました。07年9月には松坂屋ホールディングスと大丸が統合しJ.フロント リテイリングに、同10月には阪神百貨店と阪急百貨店が統合しエイチ・ツー・オーリテイリングに、08年4月には三越と伊勢丹が統合し三越伊勢丹ホールディングスが誕生しました。業界首位となった三越伊勢丹ホールディングスは経営破綻した北海道の丸井今井の支援に。さらに09年10月、百貨店中堅の岩田屋を子会社化しました。さらに三越伊勢丹ホールディングスは三越池袋店など不採算店舗を6店舗閉鎖。経営の効率化を図ります。一方、12年には大丸東京店、阪急百貨店うめだ本店が販売面積を拡大化しオープン。13年には伊勢丹新宿本店がリニューアルするなど販売面積拡大、リニューアルオープンが相次いでいます。ここ数年で百貨店業界では激動の変化が起こっております。国内の消費動向にも左右されやすい業界なので、今後の本格的な景気回復に期待がよせられます。
今後の百貨店業界の動向としては、海外支店の開設など経営の国際化がみられます。高島屋は12年秋に中国上海に中国最大級の百貨店出店を予定しており、さらにはベトナムへの出店計画も進行させています。上海では現地のデベロッパー企業と提携し、売り場には食品や家庭用品、高級衣料品を取り揃えるとしています。大手百貨店の中国進出は三越伊勢丹ホールディングスに続き2社目となります。大手百貨店が中国・アジア市場にシフトするのは、国内市場が縮小傾向にあり、新たな成長のための戦略が求められているためだと考えられています。そこで、今後の成長が期待できる中国をはじめとしたアジアを活路として期待しています。中国に進出した企業の成否が今後の百貨店の海外戦略に大きな影響を与えていくと考えられています。
この百貨店業界の中でも私は株式会社丸井に注目しています。
株式会社丸井は1931年創業開始後現在も運営を行っています。1963年に東京証券取引所市場第2部に株式を公開し、1965年には東証一部に昇格しています。
丸井グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、小売・店舗、カード、小売関連サービスの3事業を通して「若々しいマインドを持つすべての人のライフスタイルを応援する」企業グループです。
丸井は日本で初めてクレジットカードを発行した会社でもあり、その後も業界初のコンピューター導入など時代の最先端を走ってきています。
丸井の中心的事業はPBの開発・販売です。丸井では、お客さま一人ひとりのライフスタイルニーズに的確にお応えできるよう、プライベートブランド(PB)を中心に商品の企画から製造、販売までトータルに運営する自主売場を展開しています。PB商品では、お客さまの価値観の変化に対応するために、お客さまと一緒に商品開発する取組みをおこなっています。2010年に販売を開始した新PB商品「ラクチン」シリーズは、雑貨カテゴリーから衣料品カテゴリーへと展開アイテムを拡大し、いずれもベストセラー商品となっています。今後も、お客様と一緒に商品開発を進めていくことで、幅広いお客さまに喜んでいただける品揃えを実現していくと思われます。またお客さまの意識・価値観は急速に変化し、ファッション感性のエイジレス化が進んでいます。丸井グループではこうした変化に対応し、若いお客さまだけでなく、若々しい気持ちを持ったすべてのお客さまに喜んでいただける品揃えや売場づくりを進めています。自主売場を中心に、サイズ幅の拡大や、「着心地」や「はき心地」にこだわった商品の展開などにより、客層・客数の拡大に取組んでいます。
他にもWeb事業として、近年拡大してきているWeb通販を行っています。お客さまのショッピングスタイルも多様化し、Web通販と店舗を分け隔てなく上手に利用して、お買物を楽しむお客さまが急速に増えています。丸井グループでは、店舗とWeb通販の在庫一元管理化や、Web通販で購入した商品の試着や受け取りが店舗でできるマルイウェブチャネルパークの開設、エポスカードのオンラインサービスとのID共通化など、店舗・カード・Webが一体となったサービスを推進し、お客さまの利便性のさらなる向上をはかっています。店舗とWeb通販の在庫一元管理化を行うことでWeb通販と店舗の在庫をシステムで統合管理し、それぞれの商品を共通化することで欠品を防止。お客さまにのご満足いただける品揃えを実現することに努めています。またWeb通販では2013年4月からシューズの専門サイトを開設し、自宅で安心してご試着いただくための配送料・返送料の無料化、服とのコーディネイト検索機能など、お客さまのご要望を取り入れた活動を行っています。
カード事業としては、1960年、「クレジット」という名称を用いることで「月賦」のイメージを払拭し、日本で初めての「クレジットカード」を発行した丸井グループ。以来、カードの店頭即時発行等、革新的な取組みを進めてきましたが、2006年3月、その集大成として、ハウスカードの魅力にビザブランドの汎用性を付加した「エポスカード」を発行、お客さまの幅広いクレジットニーズにお応えしています。電子タブレッドを利用したカード発行などお客さまにとって安心・便利なクレジット販売や、健全なキャッシングサービスを提供するとともに、提携カードの開発など本格的なカードビジネスを進めています。今後は、ネットで幅広く活用できるオンラインサービス「エポスネット」や会員サービスの拡充などにより、店舗・カード・Webが一体となって利便性をさらに高め、末永くご利用いただけるカードとして、お客さまのさまざまなライフスタイルをサポートしていきます。
これらのように、今後も丸井グループでは店舗・カード・Webが融合して相乗効果を発揮する三位一体型ビジネスを進めていきます。グループ各社それぞれが持つノウハウと専門性を活かしながら、このビジネスモデルを進めていくことにより、丸井は、お客さまをはじめ、株主の皆さま、そして地域の皆さまに、より一層貢献できる企業グループをめざして努めていきます。
このようにお客様を身近に感じ、お客様を第一と考え活動していく企業丸井に私は興味を持ちました。今後も自身が就職活動をしていく中で丸井グループに注目していきたいと思います。
3年 海老澤 隆規