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FTアントレ・ゼミナール

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課題




 久しぶりにブログの更新を担当しますゼミ生4年の草野です。
今回はPROJECT DESIGN「空き資源活用ビジネス」の感想を書かせていただきます。


 はじめに「空き資源」とはなにか。空き資源とは、空き家・空き店舗(商店街など)・廃校・空き施設(福祉施設や病院等)などについて、地域創生のための活用を前提に前向きに捉えている場合のことである。「廃校」は事実でも、地域民にとっては「廃校」は我慢ならない言葉であることから、「空き資源」と表現し、住民感情に配慮したのである。しかし空き物件を資源として捉えれば、地域には豊富な資源が存在するというわけである。
 空き資源問題の現状としては年々増加傾向に走っている。2013年全国の総住宅数6,000万戸に対し空き家率が約13%にも上る。様々な新築住宅・商業施設・ファッションビルが増え続ける反面、空き家や空き店舗・廃校などの遊休不動産も増え、深刻な社会問題化へとなっている。ではなぜ、そのような遊休不動産がこんなにも増えてしまったのか、または活用してこなかったのか、そこにもいくつもの課題が存在する。「不動産所有者が空き資源活用方法が分からない」「年配の不動産所有者にとっては事業リスクを避けたがっている」「不動産が社会的資産であるという認識が希薄である」ということが挙げられている。空き家の中でも大型空き家が活用されない、できない理由としては「民間の開発ニーズがない」「中心市街地全体の地盤沈下」「建物が古く、リニューアルに多くの資金が必要」などが主なものである。
 このように空き資源問題にはいくつもの課題があり、またそれに対する打開策を見出していない地域も多く存在するのが現状である。私が以前、旅行業界を研究していた時に、訪日外国人が増加し続け、慢性的に主要都市の宿泊施設が足りなくなり、問題になっているという記事を読んだことがある。その解決策として、一般民家や空き家を利用し、宿泊施設の代わりとして旅行者を分散しようと「民泊」というものを提案した。実際にいち早く大阪の自治体で2015年10月に民泊条例が制定され、実現に成功したが、そこでも多くの問題が浮上した。民泊として貸し出される部屋は、一般的な宿泊施設の構造と異なり、騒音などの対策がとられていないケース多くある。旅行に来ているという高揚感もあり、宿泊先での騒音トラブルが頻発しているのである。また訪日外国人にとっては習慣・考え方、文化の違いでのトラブルも多く、民泊には解決しなくてはいけない課題がまだまだ多いのだった。

 以上から、不振と低迷が続いているかと思われる空き家資源活用ビジネスだが、ユニークな発想で他と差別化された特徴を持つ新業態で成功を勝ち取るケースも多く存在する。例えば温浴施設とカフェを融合させた「おふろcafé」。館内に踏み入れると、暖炉を備えたラウンジがあり、木のぬくもりが感じる中で、思い思いにゆったりとした時間を過ごすことができる。また1万冊以上の漫画、飲み放題のコーヒー、パソコンとWi-Fiを完備したワークスペースなど無料で利用できるものがいくつもあり、有料で宿泊室も用意されている。閉店していた温浴施設を譲り受けてから改装し2013年にオープンしてから、売り上げは改装前の2倍以上にもなるという。廃校を演劇の劇場として活用したケースもある。田舎の廃校であり交通のアクセスが不憫だったが、広いグラウンドを駐車場とし、また多くあるトイレの数も大きなメリットとし、劇場へと改修した。「廃坑はまさに地域の資源、廃棄された場所ではない」「地域の歴史や人々の思いが詰まった場所だからこそ、演劇の力が観る人に届きやすくなる」と考え、演劇はつながりを取り戻す場所として、廃校を地域から愛される場として生まれ変わらせたのだ。
 空き資源を活用することで、地域にとっては様々な社会貢献と地域活性化を実現することができる。しかし、空き資源を活用するために、活用の種類・手順・手続き、さらに運営方法、組織、資金などの必要項目についての入念で具体的な検討。他にも関連省庁の補助金制度などについても理解を深めなくてはならないだろう。また30年前と同じ間取り・内装・設備を提供してもその需要は期待できない。現在のライフスタイルや地域に適応した物件でなければ、空き家資源を活用するとはいえない。空き家資源にはいくつもの可能性を秘めてはいるが、そのための知識と技術と革新的なアイディアが欠けていては地域活性化へは繋がらず、ビジネスにも成り立たない。そのような条件のなか今後も増え続けるであろう空き家問題に、日本だけではなくおそらく世界でも相対しなければならないのだ。空き家問題へ今後の対策と期待をもちつつ、どのように改善していき地域を豊かにするのか注目していきたいと思う。








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